結 -YUI-

堀川から採取した塩・糸・ナフタリン
水溶紙・ボート・桶・ポスト
2010
あいちトリエンナーレ2010
(愛知芸術文化センター・愛知)
撮影:畠山崇
         

 
インスタレーション「結」は、名古屋市街に流れる堀川から着想しました。
堀川は400年前、名古屋城築城と同時に造られた輸送路としての運河です。
木曽の山奥から檜が、木曽川を下り、海―川を上りお城へやってきた道、
森に生まれた木々が送った景色はどんなものだったのでしょう。
堀川の川底に流れる塩を採取して4kmにも及び塩糸を育て、木立に澄まします。
ナフタリンで象られた靴は一瞬だけ固有の時を留め、結晶を結びはじめるでしょう。
私たちの足元。景色を往来し流れているのは、川だけではありません。
沢山のかすかな往来からはじまる景色は、見たことのない「うなさか」まで続いている。